【保存版】焙煎士が解説する美味しいコーヒー豆の選び方ガイド

【保存版】焙煎士が解説する美味しいコーヒー豆の選び方ガイド

産地も焙煎度も違う豆がずらりと並ぶ売り場で、コーヒー豆の選び方が分からなくなることがあります。迷う原因は選択肢の多さより決める順番にあることが多いので、この記事では、淹れ方、好みの味、挽き方の3つを順に決めて、好みに合う豆にたどり着く手順を紹介します。

kurohige coffeeは、湘南・藤沢の焙煎所でスペシャルティコーヒーを焙煎しているロースターです。マルシェなどでお客さまと話していると、どの豆を選べばいいか分からない、という声をよく聞きます。この記事は、そんなときにお伝えしている選び方を、そのまま順番にまとめたものです。例に出す豆も、すべて当店のコーヒー豆一覧にあります。

とはいえ、あまり気負わなくて大丈夫です。コーヒーは毎日の飲みものですから、肩の力を抜いて、楽しみながら、遊び心を持って選ぶのが一番。今回の一杯がぴんとこなくても、次にどう変えればいいかが分かれば十分です。

この記事のポイント

  • 最初に決めるのは淹れ方です。淹れ方によって、おいしく抽出できる焙煎度の範囲が変わります。
  • ドリップやフレンチプレスは、どの焙煎度でも淹れられます。モカポットと専用グラインダー付きのエスプレッソマシンは中煎り以上、家庭用マシンや全自動メーカーは中深煎り以上が目安です。
  • 範囲が決まったら、フルーティー、バランス型、苦味とコクのどれが好きかで、焙煎度と精製方法を絞ります。
  • 挽き方は最後に決めます。家で挽くなら豆のまま、挽かないなら淹れ方に合わせた粉を選びます。
  • 好みがまだ分からないときは、お試しセットで少量ずつ飲み比べるのが近道です。
  • 商品ページの焙煎度、精製方法、産地は、決めた条件に合う豆かどうかを確かめる目安になります。

味の好みは、人それぞれです。ここで紹介するのはあくまで目安で、守らなければいけない決まりではありません。自分も、浅煎りでエスプレッソ系のドリンクを作ったり、深煎りをドリップで淹れたりします。気になる組み合わせは、自由に試してみてください。

焙煎度: 浅煎り 中煎り 中深煎り 深煎り

淹れ方、好みの味、挽き方の順に、ひとつずつ見ていきます。まずは、家でどう淹れているかを確認します。

ステップ1:家では、どう淹れていますか?

同じ豆でも、淹れ方によって味の出方は変わります。ドリップでは澄んだ酸味になる浅煎りが、エスプレッソマシンでは酸っぱく感じられることもあります。好みの味を考える前に、家での淹れ方から焙煎度の範囲を決めるのが最初の一歩です。当てはまる淹れ方の項だけ読めば、範囲が分かります。

ハンドドリップ・コーヒーメーカー・フレンチプレスの人 モカポット(マキネッタ)の人 エスプレッソマシン+専用グラインダーの人 家庭用エスプレッソマシン・全自動メーカー(デロンギなど)の人 まだ器具がない、カプセルだけの人

ハンドドリップ・コーヒーメーカー・フレンチプレスの人

ペーパーフィルターで淹れるドリップも、お湯に浸して淹れるフレンチプレスも、浅煎りから深煎りまで、どの焙煎度でも選べます。コーヒーメーカーも、ドリップと同じ考え方です。焙煎度は好みで決められるので、次はドリップ・フレンチプレスの人向けの項で、好みの味から豆を絞ります。

モカポット(マキネッタ)の人

モカポットで淹れるなら、中煎り以上が目安です。浅煎りは酸味が強く出やすく、味がまとまりにくい傾向があります。理由ははっきり言えませんが、マキネッタの高温で抽出する仕組みが一因かもしれません。

手順と挽き目の詳細は、マキネッタの淹れ方と豆選びを参考にしてください。好みの味からの選び方は、モカポットの人向けの項で続けます。

エスプレッソマシン+専用グラインダーの人

専用のグラインダーで挽き目を調整できる環境なら、モカポットと同じく中煎り以上が目安です。中煎りのフルーティーなナチュラルも、エスプレッソで楽しめます。豆選びは、モカポットの人と同じ範囲なので、専用グラインダー付きエスプレッソの人向けの項で確認できます。

家庭用エスプレッソマシン・全自動メーカー(デロンギなど)の人

家庭用のエスプレッソマシンや全自動メーカーでは、浅煎りや中浅煎りが酸っぱく出やすい傾向があります。原因ははっきり言えませんが、抽出温度や挽き目を調整できる幅が限られていることが、一因かもしれません。

中煎りも、豆によって出方の差が大きいです。見分けが難しいので、選ぶ範囲は中深煎り以上と考えておくと安心です。専用グラインダーがなく、粉を買って淹れる場合も、この範囲で考えます。この範囲での具体的な豆は、家庭用マシン・全自動メーカーの人向けの項で挙げています。

まだ器具がない、カプセルだけの人

カプセル式のマシンでは、コーヒー豆を使えません。豆から楽しむなら、ハンドドリップかフレンチプレスから始めるのがおすすめです。どちらも器具が手ごろで、焙煎度も自由に選べます。フレンチプレスは、淹れ方が多少ぶれても味が崩れにくいのも利点です。

器具の選択肢は、コーヒーの淹れ方8種類の比較で見比べられます。豆選びそのものは、ステップ2のドリップ・フレンチプレスの項と同じ考え方で進められます。

ステップ2:どんな味が好きですか?

焙煎度の範囲が決まったら、次は味の好みです。ブラックで飲むのか、ミルクを入れるのか。酸味のある華やかな味が好きなのか、苦味とコクのある味が好きなのか。この2つの問いで、範囲の中から豆を絞ります。

この2つの問いの答えは、フルーティー、バランス型、苦味とコクの3つに分かれます。フルーティーは華やかな酸味と果実味、バランス型は酸味と甘み、香ばしさがほどよく整った味、苦味とコクは深煎りらしい力強い味です。

お使いの淹れ方の項を読んでください。苦味とコクがほしい人やミルクを入れる人は、淹れ方を問わず苦味とコク、ミルクの項へ、好みがまだ分からない人はお試しセットの項へ進めます。

ドリップ・フレンチプレスの人:浅煎りから深煎りまで選べる

ドリップとフレンチプレスは、浅煎りから深煎りまで選べます。分かれ道は、フルーティーで華やかな酸味が好きかどうかです。

フルーティーで華やかな酸味が好きなら、浅煎りです。精製方法がウォッシュド(果肉を取り除いて洗い流してから乾燥させる方法)の浅煎りは、味わいが澄んでいて、花や柑橘、紅茶のような軽やかさが出ます。この味わいがよく出ているのがエチオピア イルガチェフェ G1 コンガ農協 ウォッシュドで、商品ページにはアプリコット、オレンジ、フローラル、レモンの風味が挙がっています。

ジューシーで甘い果実味が好みなら、浅煎りのナチュラルです。果実ごと乾燥させる精製方法のため、ベリーのような果実味と、ワインを思わせる甘みが出やすくなります。同じコンガ農協でも、ナチュラルならエチオピア イルガチェフェ G1 コンガ農協 ナチュラルがあり、風味はフローラルとブルーベリーです。ウォッシュドと飲み比べると、精製方法による印象の違いがはっきり分かります。

バランス型が好みなら、中煎りのウォッシュドかハニーです。中煎りは酸味がやわらぎ、キャラメルやナッツのような甘みと香ばしさが出てきます。ハニー(ミューシレージという粘り気のある層を残して乾燥させる方法)は、ウォッシュドとナチュラルの中間にあたる精製方法で、やわらかな甘みが特徴です。

バランス型の例が、カハマルカ県で育ったペルー チリノス G1級 ウォッシュドです。商品ページでは、紅茶のような飲み口とブラウンシュガーの甘みが紹介されています。

モカポット・専用グラインダー付きエスプレッソの人:中煎り以上から選ぶ

モカポットと、専用グラインダー付きのエスプレッソマシンは、中煎り以上から選びます。好みの味に合わせて、フルーティーな味とバランス型の選び方を見ていきます。

フルーティーな味が好きなら、中煎りのナチュラルです。果実の甘みを残しながら、浅煎りほど酸味が前に出ません。モカポットでも、専用グラインダー付きのマシンでも、フルーティーな味を引き出しやすい焙煎度です。

この条件に合うのが、ルウェンゾリ山脈のふもとから中腹、標高1,200〜1,800mで育ったウガンダ ルウェンゾリ ドンキー ナチュラルです。中煎りのナチュラルで、商品ページの風味は黄桃、メロン、キャラメル、黒糖、ハーブとあります。

このウガンダは、モカポットに向き、専用グラインダー付きの本格的なマシンなら、フルーティーなエスプレッソにもなります。一方、家庭用マシンで淹れる場合は、次の項の焙煎度を目安にしてください。

バランス型が好みなら、中煎りから中深煎りです。チョコレートやナッツのような香ばしい甘みが中心になり、酸味は穏やかに感じられます。中深煎りのウォッシュドでは、パプアニューギニア マッドマンコーヒー アサロ ウォッシュド Aが当てはまり、商品ページにはナッツ、キャラメル、チョコレート、シトラスの風味が記載されています。

家庭用マシン・全自動メーカーの人:中深煎り以上から選ぶ

家庭用マシンや全自動メーカーは、中深煎り以上から選びます。豆によっては中煎りでも抽出できますが、見分けが難しいので、最初は中深煎り以上にしておくのが無難です。

たとえば中煎りのウガンダは、専用グラインダー付きの本格的なマシンならフルーティーなエスプレッソになりますが、当店の経験では、家庭用マシンで酸っぱく出ることがあります。

フルーティーな味が好きなら、中深煎りから深煎りのナチュラルです。焙煎が深いぶん酸味は控えめになり、ナチュラルらしい甘さが残ります。明るい果実味そのものを楽しみたい人は、ドリップで淹れる浅煎りが向いています。

深煎りのナチュラルの例が、アワチャパン県の農園で育ったブルボンとパカスを使ったエルサルバドル ブルボン・パカス ナチュラル SHGです。商品ページの風味は、ワイニーとチョコレートです。深煎りに仕上げることで赤い果実の風味が落ち着き、ワインのような香りとなめらかなコクが前に出ると説明されています。

バランス型が好みなら、中深煎りのウォッシュドです。柑橘を思わせる酸味と、チョコレートのようなほろ苦さがバランスよく重なります。この味わいに近いのが、タンザニア キリマンジャロ ンゴロンゴロ コンゴニ農園 ウォッシュ AAで、風味はオレンジ、りんご、ピーチ、ナッツ、チョコレートです。

苦味とコクがほしい人、ミルクを入れる人

苦味としっかりしたコクがほしい人や、ミルクを入れて飲む人は、淹れ方を問わず中深煎りから深煎りです。カカオやローストしたナッツのような香ばしさが出やすく、ミルクを合わせても味が負けにくくなります。

この範囲に入るのが、火山性の土壌で育ったインドネシア アチェ フォレストグリーン スマトラ式 G1です。商品ページでは、フルボディーで酸味控えめとされ、風味はハーブ、シトラス、トロピカルフルーツ、スパイスです。厚みのあるボディと独特の風味が特徴で、後味には控えめな酸味が残ります。

スマトラ式(ウェットハル)は、豆がまだ水分を多く含んだ状態で内側の殻を取り除く、インドネシア特有の精製方法です。

まだ好みが分からない人:お試しセットでいろいろな味を知る

好みは、頭で考えるより飲み比べたほうが早く見えてきます。同じ焙煎度でも、産地や精製方法が違えば味は変わるので、実際に飲むことで、酸味が好きなのか、苦味とコクが好きなのかがはっきりします。

お試しセットは、3種類の豆を少量ずつ届けるセットです。量は3種類それぞれ85gか170gで、セット内容は浅煎り3種、中煎り3種、深煎り3種、浅・中・深煎りを1種ずつの4つから選べます。セットに入る産地の組み合わせは、仕入れ状況によって入れ替わります。発送は、焙煎後2〜5日以内です。

いろいろな味を知る方法として向いているので、好みがまだ分からない人は、初回限定3種お試しセットをご覧ください。初回限定の商品で、お一人様1点までです。

セット内容は、淹れ方と好みに合わせて選びます。

淹れ方と好み 選ぶセット内容
ドリップ・フレンチプレスで、フルーティーな味が好き 浅煎り3種
ドリップ・フレンチプレスで、バランス型が好き 中煎り3種
ドリップ・フレンチプレスで、いろいろ試したい 浅・中・深煎り3種(1種ずつ)
モカポット、専用グラインダー付きエスプレッソで、フルーティーかバランス型が好き 中煎り3種
家庭用マシン、全自動メーカー 深煎り3種
苦味とコク、ミルクが好き(淹れ方を問わない) 深煎り3種

商品ページの初期設定は、浅煎り3種です。表で浅煎り3種以外になった人は、セット内容を選び直してください。

挽き具合は、豆のまま、フレンチプレス用、ドリップ用、マキネッタ用から選べます。3種類とも同じ挽き具合で届くので、どれを選ぶかは次のステップ3で決めます。

ここまでの早見表

ステップ1と2の結論を、1枚の表にまとめます。

淹れ方 フルーティー バランス型 苦味・コク・ミルク
ドリップ・フレンチプレス 浅煎りのウォッシュド、または浅煎りのナチュラル 中煎りのウォッシュド、ハニー 中深煎りから深煎り
モカポット・専用グラインダー付きエスプレッソ 中煎りのナチュラル 中煎りから中深煎り 中深煎りから深煎り
家庭用マシン・全自動メーカー 中深煎りから深煎りのナチュラル 中深煎りのウォッシュド 中深煎りから深煎り

商品ページの風味の記載を探すときは、次の言葉が目印になります。

フルーティーな豆は、ベリー、フローラル、ジューシー、黄桃やメロンなどの果実名。深煎りのナチュラルなら、ワイニー。バランス型は、キャラメル、ナッツ、チョコレート。苦味とコクなら、カカオ、ローストしたナッツ、スパイス、フルボディーです。

これで、選ぶ豆の焙煎度と精製方法の条件が決まりました。最後に、豆のまま買うか、粉で買うかを決めます。

ステップ3:家で豆を挽きますか?

挽き目は淹れ方によって変わるので、淹れ方が決まった今のタイミングで考えます。家で豆を挽くかどうかで、買い方が2つに分かれます。

挽く人:豆のまま買う

家で挽く人は、豆のまま買います。粉にすると空気に触れる面積が大きくなり、香りが早く抜けてしまうためです。全自動メーカーも、豆のまま入れて使います。

挽き目の目安は、淹れ方ごとに次のとおりです。

淹れ方 挽き目
フレンチプレス 粗挽き
ペーパードリップ 中細挽き
マキネッタ(モカポット) 細挽き〜中細挽き
エスプレッソマシン 極細挽き

挽かない人:淹れ方に合わせた粉を選ぶ

挽かない人は、淹れ方に合った粉を選びます。当店の粉の選択肢は、ドリップ用、フレンチプレス用、マキネッタ用が基本で、豆によってはエスプレッソ用もあります。

エスプレッソマシンで粉を使うなら、商品ページにエスプレッソ用があるかを確認するのが第一歩です。ない場合は、いちばん細かいマキネッタ用が近い挽き目になります。粉は豆より傷みが早いので、2週間以内に飲み切るのが目安です。

豆と挽き方が決まったので、次は、商品ページに並ぶ用語の意味を確認します。

商品ページの読み方:焙煎度・精製方法・産地

焙煎度、精製方法、産地は、どの商品ページにも載っている項目です。意味を押さえておくと、初めて見る豆でも、決めた条件に合うかどうかを判断できます。

焙煎度:浅煎り・中煎り・深煎り

焙煎度は、豆をどこまで深く焙煎したかを示す言葉です。浅いほど酸味と豆の個性が出やすく、深いほど苦味とコクが増します。

焙煎度 色と油分 味わい
浅煎り 明るい茶色。表面は乾いている 酸味が中心。フルーティー、フローラル
中煎り 中間の茶色。表面はほぼ乾いている 酸味と甘みのバランス。キャラメル、ナッツ
深煎り 濃い茶色。表面に油分が出ることがある 苦味とコクが中心。カカオ、ローストしたナッツ

3つの間には中浅煎りや中深煎りもあり、商品によっては5段階から選べます。8段階の細かい違いは、焙煎度の8段階と味の違いで説明しています。

精製方法:ウォッシュド・ナチュラル・ハニー

精製方法は、収穫したコーヒーチェリーから生豆を取り出す工程のことです。全体像はコーヒーの精製方法にまとめていて、ここでは商品ページによく載る3つを取り上げます。

ウォッシュドは、果肉を取り除き、水で洗ってから乾燥させる方法です。味わいはクリーンで、酸味や香りの輪郭がはっきりします。工程を詳しく知りたいときは、ウォッシュド精製の工程と味の特徴を参考にしてください。

ナチュラルは、果肉をつけたまま乾燥させる方法です。果実の糖分が豆に移るため、ジューシーな甘みと、ベリーやワインを思わせる風味が出やすくなります。なぜ味が変わるのかは、ナチュラル精製が味を変える理由で説明しています。

ハニーは、果肉を取り除いたあと、ミューシレージと呼ばれる豆を包む粘り気のある層を残して乾燥させる方法です。ウォッシュドとナチュラルの中間にあたり、やわらかな甘みとまろやかな酸味が出ます。名前に「ハニー」とあっても、蜂蜜は使わない精製方法です。甘みが生まれる仕組みは、ハニープロセスの甘みの仕組みにまとめています。

産地:味の傾向はおおまかに

産地は、気候、土壌、標高によって風味が変わるため、味の方向をつかむ手がかりになります。ただし、同じ国の豆でも、地域や精製方法が違えば味は変わります。国名だけで決めつけず、地域と精製方法まで見るのが選びやすい方法です。

たとえば、エチオピアのイルガチェフェにあるコンガ農協の豆は、精製方法で印象が変わります。ウォッシュドではオレンジやレモンのような柑橘とフローラルな香りが、ナチュラルではブルーベリーのような果実味が、商品ページに挙がっています。ウガンダのルウェンゾリ山脈の豆は、ナチュラルの中煎りで、黄桃やメロンのような甘い果実味が特徴です。

標高の高いエチオピアやルワンダのウォッシュドの浅煎りには、柑橘やベリーのような明るい酸味を持つ豆があります。地域ごとの違いは、エチオピアならエチオピアの産地と精製方法、ルワンダならルワンダコーヒーの風味と特徴が詳しいです。

ペルーやタンザニアも、地域と農園によって印象が変わります。ペルーコーヒーの魅力やタンザニアの産地と味わいも、産地ごとの見方の参考になります。

シングルオリジンとブレンド

シングルオリジンは、1つの産地の豆だけを使うため、その産地の個性がそのまま出ます。ブレンドは、複数の豆を組み合わせて、調和のとれた安定した味を作ります。当店のコーヒー豆は、現在すべてシングルオリジンです。

最後に、豆を買うときの目安を確認します。

買うときの目安:焙煎日、量、保存

豆を買うときは、焙煎日を起点に見ます。焙煎したてのコーヒーはガスが多く、数日置いてガスが落ち着いた頃が飲み頃の始まりです。そこから、風味は少しずつ変化していきます。

量は、2週間から1か月で飲み切れる量が目安です。多めに買っても開封後は風味が落ちていくので、使い切れる量を選びます。

保存の基本は、密閉、遮光、冷暗所です。袋の空気をできるだけ抜いて口を閉じ、光を通さない容器に入れて、直射日光の当たらない涼しい場所に置きます。冷蔵や冷凍を使う場合の考え方は、常温・冷蔵・冷凍の使い分けが詳しいです。

豆選びで残りやすい疑問は、次の質問集にまとめました。

よくある質問

どの質問も、結論から先に答えています。

初心者は、何から決めればいいですか?

淹れ方から決めます。淹れ方によって、おいしく抽出できる焙煎度の範囲が変わるためです。範囲が決まれば、好みの味、挽き方の順に進むだけで、豆が絞れます。

淹れ方がいくつかある場合は、どう選べばいいですか?

範囲がいちばん狭い淹れ方に合わせます。たとえば、ドリップと家庭用マシンの両方を使うなら、範囲が狭いのは家庭用マシンの中深煎り以上です。この範囲の豆なら、ドリップでも家庭用マシンでも使えます。浅煎りも楽しみたいときは、ドリップ用の豆を別に選びます。

酸味が少ない豆はどれですか?

深煎りです。焙煎が深くなるほど酸味は穏やかになり、苦味とコクが前に出ます。ただし、産地や精製方法でも酸味は変わるので、商品ページの「酸味控えめ」の記載も目安になります。

苦味がしっかりした豆はどれですか?

中深煎りから深煎りです。焙煎が深いほど苦味は強くなり、コクも増します。ミルクを入れて飲む場合も、この範囲が合います。

家庭用のエスプレッソマシンで、浅煎りが酸っぱくなるのはなぜですか?

原因ははっきりしませんが、家庭用マシンでは抽出温度や挽き目を調整できる幅が限られていることが、一因かもしれません。浅煎りは酸味が前に出やすく、条件が合わないと酸っぱさが目立ちやすくなります。中深煎り以上なら酸味が穏やかになるので、家庭用マシンではこの範囲から選ぶのが無難です。

豆と粉、どちらを買えばいいですか?

家で挽けるなら、豆のまま買います。粉にすると空気に触れる面積が増えて、香りが早く抜けるためです。挽く器具がない場合は、淹れ方に合った粉を選び、2週間以内に飲み切る目安で買います。

値段の高い豆ほど、自分に合いますか?

高い豆ほど合う、とは限りません。価格には、品質管理にかかる手間や生産者への対価が反映されますが、味の好みとは別の問題です。好みに合うかどうかは、淹れ方、焙煎度、精製方法が、飲む人の好みと合っているかで決まります。詳しくは、スペシャルティコーヒーが美味しくないと感じる理由で説明しています。

最初は何グラムくらい買えばいいですか?

2週間から1か月で飲み切れる量が目安です。1杯に使う豆は10〜15gなので、お試しセットの1種85gなら、6〜8杯ほどになります。まず少量で試し、好みに合う豆が見つかってから量を増やすほうが、無駄がありません。

焙煎したコーヒーの飲み頃はいつですか?

焙煎直後はガスが多いので、数日置いてガスが落ち着いた頃から飲み頃が始まります。そこから少しずつ風味が変化していきます。開封後は、豆なら2週間〜1か月、粉なら2週間以内に飲み切るのが目安です。

まとめ:淹れ方、好み、挽き方の順に決める

豆選びで迷ったときは、売り場に並ぶ豆を見比べる前に、淹れ方に戻ってみてください。順番を守るだけで、迷いはかなり減るはずです。

それでも決めきれないときは、お試しセットで飲み比べるところから始めます。実際に飲んだ味は、確かな判断材料になります。

豆が決まったら、次は実際に淹れる段階です。ドリップで淹れるなら、基本の流れはペーパードリップの淹れ方にまとめています。モカポットなら、ステップ1で紹介したマキネッタの記事が参考になります。